書道家としての活動
マキ・キムラは、コラボレイティブ・ピアニストという枠にとらわれず、書道家としても活動している。
幼少期から書道を嗜み、渡米前は書道団体「白峰社」に所属し、主に近代詩文の作品を展覧会に出展してきた。受賞歴もある。渡米後はピアノに専念するため一時書道の筆を置いていたが、2023年、移住20周年を機に活動を再開し、作品の発信拠点として KAN-SEI LLC を設立。龍体フトマニ書の会認定講師でもある。
マキ・キムラにとって、ピアノと書道は異なる分野ではなく、いずれも言葉にならない内面を表現するための本質的な手段であり、自然に融合している。時の流れとともに常に変化し続けながら、ジャンルや国境を超えて、ボーダーレスな創作活動を展開している。
アーティスト・ステイトメント
独りの私から、ただ独りのあなたへ
日本文化における「雅号」とは、芸術家の内面や美意識を映し出す、非常に特別な名前です。
私の雅号「感靜(Kan-sei)」は、「静けさと共鳴する魂」を意味します。
それはただ静けさに身をゆだねるのではなく、静寂の中に透ける響きを感じ取り、呼応するような在りようを映しています。
日本語には「かんせい」と読む言葉が数多くあり、それぞれ異なる意味を持ちます。
たとえば、感性(物事を感じ取る力)、完成(物事が仕上がること)、慣性(外から力を受けない限り動きを保つ性質)、感声(心に感じて自然に発する声)、閑静(穏やかで落ち着いた静けさ)などがあります。その中で、私の雅号「感靜」は、私の在り方と作品の本質を映し出しています。
喧騒に満ちたこの世界では、微かな心の動きや儚い音、淡い陰影は、強く大きなものや、「明るさこそ善」とするポジティブ信仰にいとも簡単に押し流されてしまいます。
それでも私は、自らの世界の中で、静寂の美しさ、闇の深淵、そして微かな響きの尊さに心を寄せています。
私は、日本の伝統への深い敬意から、本格的な素材にこだわり、決して妥協しない姿勢を大切にしています。
伝統的な半紙と墨にとどまらず、手染めの麻布に純金や純銀で書く手法を用い、古来の神聖な祈りや、心に響いた言葉を表現しています。
すべての作品には、三千年以上の歴史をもつ日本の神社で自ら汲んだ御神水で溶いた墨を用いています。
私の作品が、あなたという独りの内にある静けさと影に触れ、心の奥底で響き合いますように。








